建築・デザイン系

― ホーム・ランの上にナス ―

 何やら訳の分からないタイトルだが、「ホーム・ラン」とは「Home LAN」のこと、「ナス」とは「NAS 【Network Attached Storage】(ネットワーク接続ストレージ)」のことである。

 筆者の自宅(2階建て独立住宅)では、ホームネットワーク上にNASを加えることによって家庭内で扱うデータファイル管理の一元化を図ることができた。


家庭内LANの構築

 事の発端は、2007年に行政主導によるCATVの導入と同時に光ファイバー通信による高速インターネット接続サービスにも加入したことだ。

 CATV回線上でインターネット接続サービスを受けるには、ケーブル・モデムは必要なのだが、このケーブル・モデムにはポートが一つしかないため、複数のパソコンを同時に高速なインターネットに接続させるためにはケーブル・モデムとパソコンの間にハブを介さなければならない。

 ハブが設置されている部屋と同じ階であれば少々長め(10mほど)のLANケーブルを使ってハブに接続すれば別の部屋でもインターネットを楽しむことができるが、階の違う部屋でインターネットを楽しもうとすると、壁伝い、床伝い、階段伝いにケーブルを引き回さなければならない。

 そこで今回のCATV屋内配線工事の際、業者にお願いして、これまで用途がなかった2階廊下への電話配管を利用してLANケーブルの敷設とLAN用のジャックの設置を追加工事として実施してもらい、それをハブのポートのひとつに接続した。 これで1階のハブから2階まで長々とケーブルを引き回すこともなくなり、家族がそのケーブルに足を引っ掛けるという事故もほとんど起こらなくなった。

 「無線LANにすればいいじゃないか」という読者もおられるだろうが、無線LANにはいまだに一抹の不安を持つ筆者としては、より確実な「有線LAN」を選択した。

 増設したジャックは1ポートしかないので、そのジャックには2台以上のパソコンを接続することはできない。 むしろ2階の方が、複数台(筆者と子供たち)のパソコンを同時にインターネットに接続する頻度が高いので、LANジャックからさらにハブを増設して分岐することにした。


NASの導入

 こうして家庭内でLANを組むことができ、パソコンどうしの間でデータの転送が可能になった。 ディスク容量の大きな、メインとなるパソコンに「共有フォルダ」を、あるいは外付けHDDに「共有ディスク」の設定をして、メインのパソコンを含むそれぞれのパソコンに「ネットワークグループ」を設定すれば、ホームネットワーク上でパソコンデータを共有化させるさせることも可能なのだが、共有フォルダあるいは共有ディスクの設定がなされているメインのパソコンの電源が入っていないと他のパソコンからのデータ転送ができない。 また家庭内にある数台のパソコンのためにサーバーを構築するのも大げさすぎる。

 最近、ホームネットワーク用のNASが発売されるようになった。 我が家ではディスク容量が500GBのアイ・オー・データ社製のNASを「ハブ」にあるポートのひとつに接続した。

 動画ファイルを保存することがほとんどないのでディスク容量は500GBもあれば十分である(動画ファイルを保存するのであれば 1TB 、2TB は必要であろう )。

 このNASに「ネットワークドライブの割り当て」を行えば、LANケーブルが届く範囲であれば「ハブ」を介して接続されているどの部屋のパソコンからでもNASへアクセスすることができる。 我が家ではほとんどデータファイルしか格納していないため、スタンドアロンで使用する場合の「マイドキュメント」のような使い方ができるし、ディスク内のファイル管理も一元化できるようになった。 各パソコンにはデータファイルの実体ではなく、ショートカットを設定しておけば、各パソコンにおけるデータ格納の負担が軽減され、ディスク使用容量の節約にもなった。


思わぬ副産物

 このNAS。 ファームウェアの更新と指定された設定を行なうことで更に便利なことができるようになった。 詳細は別項で・・・

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