●2● JISSEN NEWS 2004.冬 No.142



 2003年10月4日、5日の両日、山形県立産業技術短期大学校において、同校の創立十周年を祝う記念式典および関連行事が行われました。記念式典には、短大校関係者、支援を進めている企業の代表者、卒業生ら200名が出席し、「時代に対応した人材の育成に一層努めていく」ことを確認しました。
 産業短大は、1993年4月、全国初の県立の「職業能力開発短期大学校」として開校し、「メカトロニクス科・情報管理システム科・情報制御システム科・建築環境システム科」の4学科100名でスタートしました。これまで、山形県内を中心とした産業界に826名の卒業生を送り出しており、それぞれが地域産業の担い手として活躍しています。
 式典では、清水二郎学校長が、次の時代の産業技術への飛躍を目指す基本指針を表明しました。「21世紀を支配するであろう『バイオテクノロジー』や『ナノテクノロジー』に加えて、従来の枠組みや認識を保ちながら、その矛盾を埋め、生活を豊かにするような『エコロジー型技術』が求められる。両方をひとつの設計思想の中にまとめていくことが、われわれの進むべき方向である」と述べました。
 来賓として、武田佳憲同窓会長(一期生・メカトロニクス科)と同校教育研究振興会長である原田孝一ハッピー工業株式会社会長よりご祝辞をいただきました。また、実践協会からは、ともに「実践的な“ものづくり・ひとづくり教育”を進めよう」というメッセージを寄せていただきました。
 引き続き、池上徹彦会津大学学長をお迎えし、「明日を創る主役のみなさんへ〜 『優れた技術者』から『出来る技術者』へ」と題する記念講演がありました。

 「かつての『優れた技術者』ではなく、新時代に必要とされているのは『出来る技術者』である。『出来る技術者』とは、『高度な専門性を持つGeneralist であり Specialist 』である。『自ら厳しく高度な専門性を追及し、他人に優しく、他人の専門性を認めた行動が取れるプロ』で、3つのSkill (聞き・話し・報告)をもつものである。『出来る技術者』になるためのアドバイスは、学びの3軸 1)社会が期待する人材つくり 2)学ぶ楽しみ(自分の好奇心を満足する) 3)自分の野望(Ambition )の実現のためのSkillの獲得 が重要。 自分の思いをモノにかえるSkillの獲得であり、Skill とは Learn How to Learn New Thing である。 How? プラス What? と Why? がカギである」
参照 http://www.yamagata-cit.ac.jp/%7Etenth/
 また、記念式典の席上、創立10周年記念事業として、小中学校生を対象にした「未来の産業技術のシーズ&ニーズ」の募集した「あったらいいな!!アイデア・アイテムコンテスト」の表彰も行われました。夢のあるアイデアが数多く寄せられ、未来の「モノつくり技術者」への期待が持てるものでした。
 記念事業は、例年行われている「短大祭」を拡大する形で多くのイベントが企画され、卒業生を始め、多くの地域の方の参加をいただきました。
 主な事業は、次のとおりです。







記念講演される池上氏