●2● JISSEN NEWS 2005.夏 No.148

2005年実践教育研究発表会長野大会 会長
長野県工科短期大学校 校長
大竹 勉
 私どもの学校が開校して10年が経ちました。今年は創立10周年記念行事を企画しております。この記念すべき年に、実践教育研究発表会が本校で開催される運びとなり、大変光栄に思っております。開催に至るまでご尽力くださいました関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。
 発表内容の変遷を知りたいと思い、10年前に行われた第8回実践教育研究発表会(1995年)と、今回行われる第18回実践教育研究発表会(2005年)との発表内容を比べてみました。機械系を例に取りますと、10年前の発表では、「CAD/CAM」や、射出成形および加工技術を中心とした「加工」に関する、多くの発表がありました。ところが今回は「加工」が「超精密加工」となり、内容は単に加工にとどまらず、超精密表面粗さの測定機や、クリーンルームに関する発表にまで及んでいます。また、発表タイトルの中に「ものづくり」という言葉が使われるようになったこと、技術者倫理に関係する発表も行われるようになったことも特徴的なことです。電気・電子・情報系では以前に比べて、各種センサやマイコンの応用に関する発表が増えています。また、「ディジタル出力小型カメラの活用」というタイトルが目に留まりました。ディジタルカメラが普及した今の時代を反映していると思ったからです。この10年間に多くの企業が海外へ進出しました。一方で、超精密加工や金型の技術は日本の得意とする分野であり、重要な部分は国内で育てるべきだ、という話も聞かれました。 超精密・微細加工技術の進歩、携帯電話やディジタルカメラの爆発的な普及、各種センサを使ったロボットの出現など、時代の流れに沿って、私たちの実践教育研究発表会が歩んできたことをよく理解できました。そして、ものづくりの技術教育に携わっている私たちは、常に技術の動きに沿った教育をしていくことが大切であることを再認識しました。一つだけ残念だったのは、10年前に114件だった発表件数が、70件に減ってしまったことです。発表件数の拡大が、私たちの今後の課題と思います。2005年実践教育研究発表会長野大会の成功を祈念するとともに、多くの皆様のご来校をお待ちしております。



 長野県工科短期大学校が所在する長野県上田市は、長野県内では「上小地域」と呼ばれており県東部、千曲川中流部に位置し、地形、気候ともに穏やかな地域です。面積 176.73km2、人口125,498人、50,415世帯で、長野県下三番目の都市として、商業、工業が発展し、産・学・官の連携を深めた都市作りをめざしています。

□歴史
 信濃国分寺建立以来、塩田北条氏が塩田平を本拠とし(今は信州の鎌倉と呼ばれています)、その後武田氏が治め、近世に智将真田昌幸によって上田城が築かれ、扇形の町が形成されました。また、大正期は蚕都として栄えました。
□上田市のキーワード
真田幸村、猿飛佐助、上田城、千曲川
□映画ロケ地のメッカで、たくさんの映画が撮影されています。
信州上田フィルムコミッション
    (http://www.ueda-cb.gr.jp/fc/
参考資料
長野県上田市公式ホームページ(http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/~cityueda/index.shj
信州上田 真田幸村関係のHP (http://museum.umic.ueda.nagano.jp/sanada/