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機械の制御−理路と実際− まえがき

 本書は,NC工作機械やロボットなどのメカトロニクス機器の実践的な技術の修得を目指している学生や企業研修生を対象に,自動化機械の設計について,主として制御の観点から講述したものである.

 従来の制御理論は通信の信号伝達技術から発展してきた経過から推察されるように,信号伝達の特性のみについて扱っており,信号伝達に必要なエネルギーや剛性・慣性などを無視している.また制御対象の機械が与えられ,これをうまく制御するために,制御装置はどのように設計すればよいかという内容のものが多い.

 近年,機械の制御に要求される性能が厳しくなるに伴い、機械と制御装置の両面から,全システムとしての極限の機能の追求が必要となっている.この要求に応えるために本書では,機械システムの性能を最高に発揮させるために,制御装置と共に,制御からみた機械の構造と特性はどうあるべきか,どのような機械を設計したら,最適な制御性能が得られるかに力点を置いて述べている.

その内容は,実務に必要な基本的事項を省くことなく,簡潔に,やさしく述べているのが特徴である.

 第1章は制御工学の概要について触れ,その中心技術であるフィードバック制御の説明をしている.とくに,制御の基本原理であるフィードバック理論の創出によって,各種の自動化が急速に進歩した跡をたどり,どのようにしてアイデアが生まれたかという着想についても記述している.

 第2章,第3章 は,制御の基礎的事項について,機械要素を事例として取り上げ,やさしく簡潔に述べている.この章の内容はとくに理解し,身につけておく必要がある.その ため,各章の末尾に「問題」とその巻末に「回答」を豊富に紹介してあるので、自学自習に活用していただければ幸である.

 第4章は,制御部と機械部の両面から,全システムとしての特性を追求し,よりよい性能を発揮させるための機械制御系の設計方法について述べている. 以上のように,本書は実務に役立つ内容を厳選し,多くの図を用いて,明確に,やさしく説明しているので,専門学校,短期大学,大学の機械科における

初級クラスの制御工学のテキストとしてふさわしいものである.

 

  1998121日                    編集責任者  

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